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韓国文学の中心にあるもの

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著者 斎藤真理子 出版社 イースト・プレス 発行日 2022/7/16 著者は、最近の日本で飛躍的に増えてきた韓国文学の出版を、翻訳者として牽引してきた人 (たとえばベストセラーになった『82年生まれ、キム・ジヨン』の翻訳等)。この本では現代の韓国文学の面白さを、その歴史的背景とともに実に骨太に描いています。 韓国の現代史は、日本の植民地支配からの解放後も南北分断を始めとして激動の歴史が続きますが、韓国の文学がいかにその歴史の流れと深くむすびついているかということを、著者はとりわけ朝鮮戦争に関わって詳しく語っていきます。日本では一片の教科書的知識を出ない朝鮮戦争ですが、韓国では文学の「背骨」となっている出来事だからです。 例えば歴史家の韓洪九(ハン・ホング)は、韓国の現代史は「死を殺す」行為を重ねてきた、つまり、おびただしい民間人の死が権力によって伏せられ、秘められ、なかったことにされ続けてきたと語っていますが、そこから韓国の作家の仕事はまず、なかったことにされた死を、あったこととして「死を回復」することであり、作品の中でその追悼と鎮魂をさまざまな形で表現してきました。 こうして、チョ・セヒの『こびとが打ち上げた小さなボール』と石牟礼道子の『苦海浄土』が比較され、ハン・ガンの『少年が来る』はナイジェリアの作家チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの小説と共通点が模索されるなど、著者は〈世界文学としての韓国文学〉を論じていきます。 私たちはこの本で初めて韓国の現代文学を広く見わたせる地図を手に入れることができたと言ってよいかもしれません。

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