SOLD OUT
著者 渡辺京二
出版社 平凡社ライブラリー
発行 2005/9/9
B6変型判 604P
江戸から明治にかけて来日した西洋人による日記・手紙・報告書等の文献を渉猟し、当時の日本文明の諸相をいきいきと再現することで、近代日本が失ってきたものの意味を問う大著です。
この本は、自信を失った現代人が「昔の日本は良かった」式の物語で、自尊心を満たすために読まれている向きがありますが、もちろん渡辺京二にそういう意図はあるはずもありません。「私にとって重要なのは在りし日のこの国の文明が、人間の生存をできうる限り気持のよいものにしようとする合意とそれにもとづく工夫によって成り立っていたという事実だ」。そして「近代が、その文明の扼殺と葬送の上にしか始まらなかったドラマだということは銘記されるべきである」。そういう彼の方法として、考え抜かれた本だと思います。
1999年度和辻哲郎文化賞受賞。