著者 駒沢敏器
発行所 スイッチ・パブリッシング
発行 2023/4/1
レシピ本を除いても、料理の本にはおもしろい本がすぐに何冊も思い浮かびます。
野性的で潑剌たる精神に満ちあふれた『檀流クッキング』、日本に本格的なフランス料理をもたらした辻静雄の半生を描いた海老沢泰久の『美味礼讃』、フランスでのガッツあふれる修行時代を語った斉須政雄『調理場という戦場』などなど。
この『とー、あんしやさ』は発売されたばかりですが、すでにこれらの本と並ぶ古典となること、まちがいありません。
著者の駒沢敏器は、この「ほんとうの琉球料理」を一人で守り抜いてきた山本彩香の懐へ入りこみ、激動の沖縄現代史のもとで生きてきた彼女の人生の軌跡とともに、琉球料理の記憶と味を実に精確に描いていくのです。
しかも著者の逝去から11年の歳月を経ての出版には、編集者の熱意と執念をも感じさせます。
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