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著者 菅野康晴
出版社 新潮社
発行日 2024/6/1
著者は『工芸青花』編集長。「青花の会」代表。『芸術新潮』及び「とんぼの本」シリーズの編集部に在籍後、2014年「青花の会」を始める。
「柳や白洲の『ふつう(平凡)』になくて坂田さんの『ふつう』にあるもの、それは価値判断する主体の階級性の自覚です。(略)つまり古道具坂田の骨董とは(すくなくともその一面は)『富裕者の高慢税ではない骨董は可能か』という(階級闘争的)問いであり、『可能』というこたえなのです。」(P19)
「先日、根津美術館で国宝の大井戸茶碗『喜左衛門』を見てきました。(略)展示ケースの前で皆、息を殺して見入っていました。ゴクロウサマです。ところでウチで使っている飯茶碗とどちらが美しいかと、恐れ多くも考えてみました。ハッハッハッ、たいした違いはありませんよ。しょせんどちらも土でできている茶碗ですもの。ただし、アチラの方は少しカビらしきものが生えて汚れていましたヨ。それに、ウチの方が飯茶碗としては使い勝手がよさそうなんですワ」(坂田和實のことば・P80)
<目次>
1
ふたつの工芸
生活工芸の「ふつう」
三谷さんと生活工芸の四〇年
台北で気づいたこと
年表「生活工芸」の時代
2
坂田さんの仕事
拙をめぐって 路花さんの書
タパの話
3
古道具坂田と生活工芸派
編集した本
劉檸さんとの対話
あとがき