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著者 小津夜景
発行所 書肆侃侃房
発行日 2022/11/24
『いつかたこぶねになる日』でおなじみの著者による『フラワーズ・カンフー』に続く第2句集です。
〈春なれば柩の窓をあけておく〉
私を含め、俳句に苦手意識を持っている人は多いんじゃないでしょうか。五・七・五のそれぞれの言葉が華麗にぶつかり合い、火花を散らすように一句ができているので、飛躍のある舞踏を理解するのにずいぶん緊張を強いられるような気がして。
〈うその数だけうつつはありやあれは花守プルースト〉
しかしこの句集はふつうの句だけでなく、連句や短歌による漢詩の翻案や、武玉川調(七・七音)、さらには都々逸(七・七・七・五音の俗謡)もありと、リズム感がバラエティーに富んでいて飽きることがありません。
〈末法を戯(ざ)れてマッポと花泥棒〉
ですから、なにも一句一句がよくわからなくても、気にせずリズムに乗って読んでいけば、あれっ、いつのまにか私たちがふだん使っている言葉の生真面目さや貧しさが揺さぶられ、ずいぶん自由になってきたような。いやそれこそが著者の術中にはまったということなのかも。
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