SOLD OUT
著者 長田弘
出版社 クレヨンハウス
発売日 2010/5/20
25 x 19.6 x 0.8 cm
長編の詩が二つ、そして各ページにクリムトの樹木と花々の絵、という非常に贅沢な詩集です。
最初の一篇「花を持って、会いにゆく」は墓参りの詩なのですが、死者と生者との感応で全篇がおおわれているため、抹香くささがまったくなく、ある淡い光のようなものを感じさせます。
どこにもいない?
違うと、なくなった人は言う。
どこにもいないのではない。
どこにもゆかないのだ。いつも、ここにいる。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
病に苦しんで
なくなった母は、
死んで、また元気になった。
「花を持って、会いにゆく」から
森のなかでは、
すべてがことばだ。
ことばでないものはなかった。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
冷気も、湿気も、
きのこも、泥も、落ち葉も、
蟻も、ぜんぶ、森のことばだ。
「人生は森のなかの一日」から