SOLD OUT
著者 梶谷いこ
写真 平野愛
発行 誠光社
発行日 2020/12/15
『恥ずかしい料理』という題名。そして表紙の「みんな本当は何食べてるの?」という言葉から、明るい日差しのキッチンでスタイリスト風の男女が作るオーガニック料理、というある時期はやったスタイルに対する「多忙な庶民の普段着のような料理」っていうテイストを予感していました。
で、この本を開いてみたら、パッと見、文字が多い。本屋によく並んでいる料理本をイメージしている人はそこで「おやっ?」と思ってしまいます。それもそのはず、この本は、それぞれのオリジナル料理を巡る、個人や夫婦、親子それぞれの「物語」が語られているからです。
たとえば、大人になってから自分の家の文化を知ることになっていった「辛そうめん」。また、夫と子どもと自分という三者三様の食の好みの違いを一発で解決してくれた実家の母の味「肉だんご」など。それらの料理は、まるでその人がその人であることをやめないための秘密の味に思えてきます。
発行は誠光社。京都にある街の小さな本屋です。街の本屋が本を出版する。独立自尊の気概を感じさせます。