著者 池上俊一
出版社 岩波書店(岩波ジュニア新書)
発行 2019/01/23
新書判
「情熱のスペイン」というと、たとえばフラメンコに闘牛、レアル・マドリードなどのサッカーへの熱狂、カルメンやドン・フアンの激しい恋愛を思い浮かべるかもしれません。でも、本書はそんな受けねらいだけを考えたチャラい本ではありません。
スペイン史の展開はやたらに複雑で、すっきり理解するのが難しいです。
クラクラめまいがしそうです。
しかしスペイン史を見通しよくするには、複雑な枝葉(=諸事件)が、根と幹を介してどんな「養分」を吸収してきたかを見定めることが必要なのです。そしてその養分のもっとも重要な栄養素が「情熱」です。
本書を読んだスペイン文学をやっている大学の同僚の某先生からは、スペインという国の全体像、その過去から現在までの流れがすっきりとわかりやすくまとめられて、この国の歴史がこんなに見通しよく見える経験ははじめてだ、とお褒めの言葉をいただきました。やはりスペイン史は「情熱」でたどって正解だったのです。(著者の自著解説を短くしたもの)