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著者 高木崇雄
発行 D&DEPARTMENT PROJECT
発行日 2020/7/15
著者は福岡市内で工芸店「工藝風向」を営みながら「柳宗悦と民藝運動」を対象とした近代工芸史の研究をしている人。店の名は「ふうこう」と読み、ミシェル・フーコーにちなんだ名前であることは本文でも触れられています。
「民藝」と言えば、世間的には「民芸品」「民藝調」として各地の伝統的な建築やお土産物の工芸品を指す代名詞になっていますし、柳宗悦たちの「民藝運動」となると「無名の職人」「用の美」といったお約束の言葉を使って「民藝とは〇〇というものである」と、彼らの思想や目利きの力が権威化されている現実があるといいます。
そんな中、著者はまず「民藝」が生まれた歴史的状況をひも解きながら、「民藝」の俗化や教条化から本当に柳宗悦たちが考えていたであろう「民藝」を救い出す作業をレクチャーで行います。その読み解き方がスリリングで柔軟です。
後半では、そうやって救い出してきた「民藝」の精神を、今ここ、そして未来に活かしていくにはどうしたらいいかを、勉強会の仲間であるデザイナーのナガオカケンメイたちと共に討議していきます。
研究者だけの視点でもなく実作者の想いだけでもなく、その両方を行き来しながら工業デザインをも巻き込んで、現代における新しい「民藝」を考えようとする実に刺激的な本です。