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柴田元幸責任編集
出版社 スウィッチ・パブリッシング
2021/6/15
毎号充実した内容で、今号も盛りだくさんの文章がひしめいているのですが、あえて注目すべきものを上げれば、まずはシェークスピア『リア王』の柴田元幸の新訳です。
「道化」を「阿保」と訳し、その阿保がリア王を「おいちゃん」と呼ぶ。文中の所々に挟んである、イッセー尾形創作の作中人物の人形の魅力も光っています。
『リア王』の新訳を巡るイッセー尾形と柴田元幸との対談で「登場人物たちはみんな誰にも相談しない人ばっかり」という指摘にはハッとします。
今号の魅力のもう一つは、ボルヘスの掌編『Everything and Nothing』がやはり柴田元幸訳で載っていることです。「あらゆる文学作品の中で一番読み返してきた一作」と訳者が呼ぶ、この2ページばかりの作品には、やはりシェークスピアと、そして、もう一人の世界的知性との共通性が語られます。ウーンと深く納得です。