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SOLD OUT
著者 小津夜景
出版社 素粒社
発行 2020/11/5
漢詩。南仏。俳句。エッセイ。女性。
そのそれぞれをクロスオーバーさせ、しきたりやカビ臭さといったものをサッと払いのけ、自分をも無造作に放り出してしまうような文体。とんでもないところからとんでもない人が現れた、といった感じです。
一つひとつのエッセイは短いのですが、話題が豊富で場面転換が鮮やか。そして最後は、しっかりと日本語の詩になっている、漢詩の日本語訳へと流れ込んでいきます。
「スープの味わい」の章で「ああ。おいしい。どうしてこんなにおいしいのだろう」と著者の言うスープを私も作ってみました(笑)。この一篇もなかなかに切ない味わいをもっています。
別の本で著者は、大西巨人の『神聖喜劇』中の引用の姿勢を「もの知り顔ではなく、じぶんがほんとうに親しんできた作品にさわる手つき」と書いています。
これは、そのままこの本の著者の姿勢にもつながると思います。